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カワハギ [食べ物]

きょうはカワハギの話

18歳で東京に出てきて、田舎の味を再現してみようとトライしたものに、カワハギの味噌汁がある。これは好物のひとつで、カワハギのダシと、汁の上にぽつぽつと浮かんだあぶらが食欲をそそる味噌汁を作ってみた。ところが、美味くないのである。なぜか考えてみたのだが、結論は鮮度が悪いからであった。

時間がたって、関東ではカワハギの釣り船が出ることを知り、カワハギの人気が高く、刺身で食べることも覚えた。これは私の田舎ではない発見だった。

その知識を田舎に持ち帰り、年取った両親も、カワハギのおいしさを知ることになる。夏場の防波堤での五目釣りは、もっぱらカワハギが目的になった。都会と違い、防波堤の釣りは大変だ(防波堤に限らないが)。船での30秒ルール(仕掛けを海に落として30秒以上あたりがない場合は、エサがない)どころではない、目に見えて、黒々とまとわりつく外道どもを抜けて、その下にいるカワハギを狙わなければならない。チヌやカサゴなど、何でも釣れるが、こいつらは釣れたらかごに放り込んでおき、カワハギさまのときだけは、わざわざ船に戻り、いけすに泳がせる。
釣り終えて家路を目指すとき、「あとはたのんだから」と言って、カワハギさまだけを先に持ち帰り、薄造りを肝に絡めていただく・・・至福のひと時。もちろん日本酒をひっかけながら。

このくらいケアした鮮度勝負のカワハギは、フグに勝り劣らず、美味い。あしがはやいから、ほとんどの人がそのうまさを知らないのだろう。



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